メイクは実践で学ぶ。
2008年2月から続く、
メイクの巨匠トムペシュー氏との仕事。
その出会いは、
メイク・ファッション・アートをつなげてくれた。
アート感溢れ、そして非常に繊細な彼のメイク。
本人の承諾済みで私の印象に残るショウの
メイクを解説をしていきます。
沢山のメイクの手法が隠されているので、
どんどん実践してみてくださいね。
出会いは、予測していない時にある
出会いは、マックスマーラのショウ。
通常、人気のメイクアップアーティストの
チームに新しく入るのは、本当に難しい。
私が入っていた
イギリス人メイクチームに来ていた、
フランス人のメイクアップアーティストが
私を紹介したという。
そのことは後で知り、
彼女にとても感謝した。
彼女も含め、
私の大きな転機となる時は、
必ず誰かがそっと
助けてくれていたと後でわかる。
本当に感謝である。
さてその記念すべき
最初のトムとのショウは、
ミラノファッションウィークでの
マックスマーラであった。
そのショウを始め、
シャネル、サンローラン、マックス マーラ、
ジャン ポール ゴルティエ、フェラガモ、
ポールアンドジョー、ジバンシイー、
グッチ、ミュウミュウ、エルメス等他多数
たくさんのショウを経験することになる。
次第に
雑誌や広告の撮影にも
入れるようになり、
メイクテクニックだけではなく、
モデルたちとの接し方、
チームとのコミュニケーション、
仕事の交渉力、リードの取り方等、
たくさんのことを
一気に現場でリアルに学んでいく。
人を率いるということ
この頃、私自身も約80人近いチームを
率いていた。
彼のトップとしての在り方を見て、
沢山のことに気付きを得た。
外国にいると多様性が魅力であるが、
でも【人としての軸】というものは必要である。
私は、20代というまだ早い段階で、
トムのような人格者に出会えたことは
とても幸運だったと思う。
トップとして必要なこと、
それはチームが
安心・安全に仕事をするために
的確な指示をだす。
怒鳴って恐怖感で従わせることではない。
これ、実際にある。
人は、信頼されていると実感すると、
全力を発揮できる。
この頃、私自身もチーフとして
メイクチームを率いていたので、
トップが何を必要としているかを
自然と分かることができた。
両方の立場の経験は、
人をサポートする上で、
非常に大切な経験であった。
人のニーズを意識して、
世の中や周りの人の行動を
常に洞察しておく。
そうすると、
相手の求めている
１歩先まで提案することができる。
こういったことは、
仕事やコミュニケーションにおいて
非常に大切である。
もともと人をサポートするのが
私の得意とすることである。
私の強みは人といるときに
活かされる。
大きなショウや撮影になると、
誰もが緊張するし、
想定外のこともおきる。
瞬時の正確な判断力は、
気持ちに余白がないとできない。
だからこそ、
周りの人みんなが
安心・安全にリラックスしている
ことは、仕事をする環境で
大切なことであると
この時に大きく気付く。
メイクの可能性
メイクの可能性は無限である。
イメージが無限であるからである。
メイクはそのイメージを形にする。
クリエティティビティは
内面からの表現である。
メイクの基盤
ファッションの
メイクであったとしても
ベースメイクが一番重要である。
ベースメイクが
メイク全体の印象の
大部分であるからだ。
ベースメイクが
綺麗でないと
メイク全体の
イメージクオリティーが
下がってしまう。
ベースメイクが綺麗にできることは、
プロとして当たり前のことである。
基準以上の結果は、
その人らしさが
メイクで表現できているかどうか
ではないだろうか。
メイクをしていて、
モデルの顔がキラッと輝く瞬間がある。
そんなとき、
モデルの気持ちとメイクが繋がった瞬間である。
綺麗とは内面と外面の相乗効果である。
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